一人ひとりにスポットライトを。
“その人”の魅力が最大限に引き出された写真。
青山 裕企

作品とは人生である
サラリーマンをモチーフにした写真文集『ソラリーマン』、女子高生をモチーフにした写真集『スクールガール・コンプレックス』の刊行で大変話題を集めている写真家、青山裕企さん。青山さんの両作品で共通したテーマは、『日本社会における記号的な存在』である。『ソラリーマン』では、没個性に見えるサラリーマンという記号的な存在から個性を引き出し、一方、『スクールガール・コンプレックス』は『ソラリーマン』とは対称的に、個性を覆い隠し、記号性を追求した作品となっている。「僕の考える作品は個人的な動機、自分にしか撮れないもの、生きている中で思ったこと、経験したことから生まれないといけないと思う。」と、インタビュー中に強く語るように、両作品とも青山さんの個人的な経験が作品の原点となっている。
また、青山さんは、「世界を変えるわけではないが、日常がちょっとズレるだけで、見方が大きく変わることもある。そんな新たな視点を提示したい。」という想いを込めて作品を作っている。サラリーマンたちの隠された魅力や、思春期男子の淡い感情をうまく引き出し、共感を得る。写真家というと何か高尚な印象を受けることが多いが、日常に近い写真が青山さんの作品の持つ強さである。
次回作を決定づけるための執筆活動
今後の展望について青山さんは、「写真集にまとめたからといって、作品が完結したわけではないので、変わらず撮り続けると思います」と話す。世に出していないソラリーマンの写真はまだまだ沢山、手元にあるようだ。また、個人の作品のみならず、「『人』なら何でも撮ります!作品も見て頂きたいですが、仕事のオファーもどんどん下さい。」と笑顔で話した。
そして最後に今回の取材で初めてこんなことを明かした。「実は…文章を書こうと思っているんですよ。自叙伝を…。」これには非常に驚いたが、話をお聞きしていくとなるほどと理解した。青山さんの作品は自分の経験から生まれる作品であるため、自叙伝を書く、イコール、次の作品を決定づけるための執筆活動ということだ。「本気で一冊書いたら次の作品が出てくるのは間違いないと確信しています。作品制作のヒントは、今まで生きてきた自分の中に必ずあります。」と迷いのない口調で力強く答えた。青山さんの経験に基づく次回作が非常に楽しみである。次回作もきっと『人』に焦点を当て、その人が持つ一番の魅力を青山さんならではの手法で引き出し、見る者の心をそっと前向きにしてくれるだろう。
青山 裕企
- mail@yukiao.jp
- http://yukiao.jp
| 1978年 | 愛知県名古屋市生まれ。 1浪して大学に入学後すぐに休学。 コンプレックスを打破するために自転車で日本縦断の旅に出る。写真を撮り始める。 |
| 2001年 | 自分の将来を決定するために世界2周の旅に出る。 |
| 2002年 | 2周目の道中、グアテマラにて写真家になる決意をして途中帰国。当時24歳。 |
| 2004年 | 東京写真学園プロカメラマンコース本科入学。 |
| 2005年 | 筑波大学第二学群人間学類(心理学専攻)卒業。 初の個展『空跳博-JUMP EXPO 2005』を開催。 |
| 2007年 | キヤノン写真新世紀優秀賞(南條史生選)受賞。 |
| 2010年 | 東京都在住。「ソラリーマン」「スクールガール・コンプレックス」「思春期」発売中。 |
| 2011年 | 1月下旬、写真集「絶対領域」(一迅社)発売予定。 |



