草月流師範理事
中村 未梢

花は、いけたら、人になる
「花はいけたら人になる」とは、いけたときに、百合の花が、百合の花に見えてはいけないということです。花は美しいけれど、いけばなが美しいとは限らず、どんな風にいけようと、花は、いけたら、花でなくなります。いけたら、花は、人になります。花があるからこそ、いけることができますが、人がいなければ、いけばなはできないと、草月初代家元蒼風の言葉が花伝書に掲載されています。
もてなす心
そしてもうひとつ、花をいけるということには、作り手の意志だけでなく、おもてなしをする相手の意図を読み解くことです。日本文化の美意識のひとつに、おもてなしをする心というものがあります。四季を大切にする日本人特有の感性は、花をいけるということが技術ではなく、人と花との対話であり、それが四季を感じ相手を想う、おもてなしの心なのだと思います。
中村美梢さんの言葉からは、おもてなしを受けたとき、うっとりと酔いしれるような、そんな気持ちにさせてくれるのは、日本人の美意識であり美徳なのです。日本人の謙虚さと控えめな性格を奥ゆかしさと呼ぶのは、四季を感じ、相手のことを思いやることを美徳とする日本人に受け継がれてきた美に対する賜物なのだろうと改めて感じます。
今回の秋の装いをテーマにした、パプリカを花器にした作品に驚かれた方も多いのでは。秋といえば、「食欲の秋」、「芸術の秋」、そんな言葉がぴったりの楽しいおもてなしを受けたような、誰かに教えてしまいたくなるような、心が躍る気持ちになります。これこそが、日常生活の中に訪れる四季を愉しもうとする、日本人の美的感覚なのかもしれません。この秋からは、いけばなで、花と対話をして、自分の中に眠る美意識を発見してみてはいかがでしょうか。
中村 未梢
- m_show@nifty.com
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横浜出身。草月流の花を造形る(いける)という考え方に惹かれ入門。
公共、商業空間のディスプレイなどを中心に活動。
共著『My Generation フラワーアーティストの花Ⅱ~』
『Sense of Solid フラワーアーティストの花と造形』(草土出版)
『Flower』(Art Box出版)
『Across the Universe世界を超えて広がるいけばな』(草土出版)2011年春発売予定
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〈ギャラリー園いけばな教室〉
開催日:第1週月火水曜日 11:00~15:00、17:00~21:00のお好きな時間帯で
場所:ギャラリー園 >>> http://gallery-en.2bx.bz



