映画創りで地域の活性化
根本 博成

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地域への恩返し

根本さんは、いま福シネマという自主映画組織によって映画を撮っている。そしてその映画創りは地域の方々に『参加してもらう』ことで成り立っている。「おにぎり1個むすんでもらうだけでも、うちは土木関係だからトラック1台使っていいよというだけでも本当にありがたい。」と言う。
金銭的な出資をどこからも受けていない彼の映画づくりの現場は、常に人と人の繋がりで成り立っている。それは地域で独立して映画が創れるのではないかという試みでもあった。今作においては一作目という事もあり、東京のキャストやスタッフもボランティアとして数多く参加してくれたとの事。
根本さんは33歳のとき福島県の西郷村に移住している。「自然と人に囲まれていて、ご近所さんが玄関に野菜を置いといてくれたりという世界なんだよね。」
4年前、お父様を亡くされ体調を崩されていた根本さんにとって地域の方々や自然は暖かく、崩していた体調は徐々に回復していった。
「地域に根ざした映画創りをやりたい。」
根本さんにとって映画創りは地域への恩返しの気持ちでもあったのだ。

映画という町おこし

今年の9月、そんな根本さんの福島を舞台にした第1作目『こもれび』がついに完成した。試写会の反応は『とても考えさせられる映画』という評価が圧倒的に多かった。しかしそれよりも彼がうれしかったことがある。「試写会が終わったあと、ロビーで、この映画が軸で再会して、じゃあこの後食事でもいこうよという光景がいっぱい見られたんだよね。」
普段顔を見せ合うだけになりがちの地域の人々が、知らず知らずに参加しあっていた映画創りで、再びふれあった瞬間だった。企画してから9ヶ月という恐ろしい早さでの完成であり、確かに準備不足もあり、困難も数多くあった映画創りだったという。しかし、地域の活性化という理念には確実に結びついていった。
「福シネマの映画創りが、本当の意味で地域の活性化や人々の笑顔につなが
れば、どの地域でも絶対通用する撮り方だと思う。」
根本さんは、最初は地域に恩返しのつもりでスタートした映画創りであったが、結果としては、皆様から映画『こもれび』という宝物を授けて頂いた感覚になっていると言う。こころより感謝しており、今後も映画に限らず地域に根ざした芸術活動を続けていければと考えている。

根本 博成

根本 博成

映画・ドラマで俳優として活躍し、『告白』や『今度は愛妻家』など映画劇場予告編のナレーターとしても有名な根本さんは福島県在住だ。自然にかこまれ、無農薬・無肥料の家庭菜園にチャレンジ、地域の方々とふれあいながら映画を作っている。彼は言う。「映画は観る人が自らの人生を振り返れたり、想像力を喚起する余白が大事だ。」東京を離れ、福島で生活し、福島を撮るということは彼にどんな“ 余白”を与えているのだろう?

1974年10月生まれ、千葉県出身。福島県在住。
映画、TV、舞台と多方面で活躍中。
又、TVCMや劇場予告編等のナレーションを数多く担当。
「あっ、あの声の人なの!?」と思われる方も多いはず。
主な出演作には、『人生ごっこ!?』(主演)、『らくだ銀座』(準主演)、NHK『龍馬伝 第3話』、『トップセールス』、舞台『新ハムレット』ハムレット役などに出演。