車のエアコンが臭い、エアコンやヒーターを作動した時の臭いが気になるという方は結構多いのではないでしょうか。
新車で購入した車でも乗っているうちにだんだんとエアコンが臭うようになってきたり、中古車を購入してエアコンを使う季節になっていざ作動させたらへんな臭いがした・・といった事もあります。
特に中古車の場合は現車確認の際に車室内の臭いは確認するけどエアコンを作動させた時の臭いまではチェックしていないといったケースが結構多いようですね。
車のエアコンの臭いの種類は様々ですが、その臭いの発生原因のほとんどはエアコン内部の汚れです。
不快な車のエアコンの臭いを解消するために、日常での応急的な方法から根本的な消臭方法についての情報を紹介します。
車のエアコンの構造
車のエアコンは車に搭載された空調ユニットによってコントロールされています。
この空調ユニットは通称HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)と呼ばれ、車両室内の内気循環と外気導入の切り替え、温度や風量の調整を行っています。
エアコンの冷房は、ブロアファンによって風を発生させ空気を冷やす働きをするエバポレーターというラジエターのようなフィンの付いた冷媒ユニットを通過させることで、冷えた空気を車室内に送り込んでいます。
一方の暖房は、同様にブロアファンで発生した風をヒーターコアという空気を温めるユニットを通過させることで暖かい空気を作っています。
冷房の場合はエバポレーターを空気が通過する時にその温度差によって結露が生じるため、結露された水分をドレンから外へ排出します。
画像引用:トヨタ自動車
エアコンの臭いの種類毎の発生原因
車のエアコンの臭いにはさまざまな臭いが交じり合って発生しますが、やはり最も車のエアコンからの臭いで不快なのは汗臭い、生乾きの雑巾のような酸っぱい臭いです。
この臭いの発生原因はエアコンの空調ユニット内に発生したカビによるものです。
先にも述べた通り、エアコンは冷房時にエバポレーターで空気を冷やすことによって結露が発生し水分がエバポレーター表面に付着します。
その水分に内気循環や外気導入で空調ユニット内に侵入した埃が付着し雑菌が繁殖したりカビが発生します。
エバポレーターに発生したカビはどんどん堆積していき、やがてカビの胞子が冷房や暖房作動時の風と共に車内に侵入します。
臭いだけではなくカビを吸い込むことで換気装置肺炎と呼ばれる肺炎を発症したりすることもあり、健康上のリスクも高まります。
次に気になる車のエアコンの臭いはやはりタバコの臭いです。
タバコの臭いは喫煙者にはさほど気にならないのかもしれませんが、非喫煙者にとっては苦痛以外の何物でもないですね。
車の車内でタバコを吸うとその煙がさまざまなところに付着しますがエアコン作動時には車室内の空気と共にその煙が空調ユニット内に侵入し、エバポレーター等に付着します。
煙草を吸わない人が新車から乗るのであれば問題ありませんが、中古車の場合は前のオーナーが喫煙車だったというケースもありそういった車両はエバポレーターに相当タバコの臭いが付着している状態です。
車のエアコンの臭いを発生させない方法
このようにエアコンの臭いの発生源はエアコンユニット内のエバポレーターに付着したカビや雑菌とタバコの煙によって運ばれるタールなどの臭い物質の付着が挙げられますが、エバポレーターにカビや雑菌が繁殖してしまうのは、エバポレーターの周りが常に高温多湿の環境に晒されているからです。
空調ユニットのHVAC内部では、温度差によって結露が発生したところにエンジンの熱が伝わって高温多湿の状態が作られています。
カビが最も好む環境が高温多湿なので、この状態が続けばどんどんカビが繁殖し、エアコン作動時の酸っぱいような、汗臭く生乾きの雑巾のような臭いが酷くなっていくわけです。
なので、エアコンの臭いを発生させないためには、まずはこの「カビの繁殖を防ぐ」という事が重要となります。
車のエアコン内部へのカビの繁殖を防ぐ
では実際にどうやって車のエアコン内部へのカビの繁殖を防ぐのか?という事ですが、エバポレーターをはじめとするエアコンユニットの内部が高温多湿の環境になることを防ぐことでカビの繁殖を抑えることが出来ます。
具体的な方法としては、エアコン使用後に5分間くらい送風のみを行います。
これによりエアコン作動時に冷媒と空気の温度差によって生じていたエバポレーターの結露を吹き飛ばされドレンから排出しやすくなるとともに、送風によってエバポレーターやエアコンユニット内部を乾かすことが出来ます。
ただ目的地に到着してからそこから更に5分間くらいエアコンをオフにして送風だけでエンジンをかけたまま停めておくのは現実的ではないので、目的地に到着する5分くらい前にエアコンを切って送風のみで走るというのがおすすめです。
中古車のエアコンが臭い場合はエバポレーターの洗浄がおすすめ
上記のようなエバポレーターへのカビの繁殖を防ぎエアコンの臭いを抑制する方法は、新車で購入した車であれば有効な方法だといえますが、中古車など既にエバポレーターにカビが繁殖しているような状態やタバコの臭いが染みついているような場合は、エバポレーター自体を洗浄しないと根本的なエアコンの臭い解決には至りません。
エバポレーターの洗浄は市販の洗浄剤を用いて自分で行う事が出来きますがある程度車のメンテナンスの知識や経験がないと難しいかもしれません。
またディーラーでもエアコン(エバポレーター)の洗浄サービスは行っており、トヨタと日産ディーラーでのエバポレーター洗浄サービスの概要は以下の通りです。
メーカー | 施工内容 | 標準作業時間(目安) | 費用 |
---|---|---|---|
トヨタ | クイックエバポレータ 超微粒子ミストで洗浄・コーティング | 20分~50分 | 8,640円~ |
日産 | エアコン内部の調節洗浄・抗菌処理 ムース吹き付け | 15分 | 5,400円~ |
ディーラーのエバポレーター洗浄は簡易的だけど一定の効果はあり
ディーラーで行っているエアコン洗浄は、エバポレーターに洗浄液を吸い込ませる方法ですが、洗浄液を浸透させただけではエバポレーターに堆積したカビや埃などの臭いの元を完全に除去するのは難しいともいえます。
ただ施工した時はカビが減少するのでほぼエアコン特有の嫌な臭いは消すことが可能です。
エバポレーター自体を取り外して直接洗浄する方法がベストではありますが、エアコンユニット他の取り外しが必要となるため期間も数日単位でかかり、費用も車種にもよりますが10万円近い費用になる事もあります。
なのでどうしてもエアコンの臭いが気になるという方は費用的にもリーズナブルなディーラーのエアコン洗浄サービスを利用してみるとよいでしょう。
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