自動車メーカーからは各セグメントごとに様々な車種が市場に投入されていますが、同じ車種がバッチ(エンブレム)を変えて、別の自動車メーカーから販売されているのを見たことがあると思います。
これがOEM(original equipment manufacturer)と呼ばれる、相手先のブランド名で製造された車種になります。
なぜOEM車が存在するのか?
そもそもこのOEM車というのは何故存在するのか?という事ですが、自動車メーカーは一つの車種を開発するのに約4年もの歳月を費やして、オンリーワンのモデルを目指して開発し、市場に投入します。
その研究開発費用をはじめ、生産に至るまでにかかる費用は何十億単位といわれており、それほどの投資をして生み出した自社オリジナルのモデルを、他社ブランドで市場投入するという事は当然ながら、自社ブランドの売り上げが食われる可能性もあります。
それでもOEM車として提携する自動車メーカーに供給する理由は、供給側にすればやはりそれだけ生産数量を増やすことが出来るというのが最大のメリットです。
生産数量が増えても、OEM車は相手先ブランドの売り上げなので、供給元への利益配分等はありませんが、車両原価と利益の回収は終わっている状態なのでそれは問題ありません。
OEMによって生産数量が増えれば供給元の工場の稼働率が上がる事と、固定費の償却台数が増えるので生産コストの低減、すなわち製造原価低減による利益の拡大効果が生まれます。
これがOEM車が存在する最大の理由です。
ちなみにOEM車とは完全に供給元が開発から生産までを行った車の事であり、共同開発した車種、例えばトヨタ86とスバルBRZのような異母兄弟ともいえる双子車はOEM車にはなりません。
自動車メーカー別のOEM車の種類
現在、OEM車が存在しているのは日本国内の自動車メーカー間だけです。
過去には政治的な背景もあり海外の自動車メーカーとのOEM車も存在しましたが、どの車種ももすべて販売不振というか全く売れることなく終わりました。
実際に現在日本の自動車メーカー間でOEM供給されている主なモデルは以下の通りです。
OEM供給元 | OEM供給先 | ||
---|---|---|---|
スズキ | ワゴンR | マツダ | フレア |
アルト | キャロル | ||
ハスラー | フレアクロスオーバー | ||
スペーシア | フレアワゴン | ||
スペーシアカスタム | フレアカスタムワゴン | ||
エブリィワゴン | スクラムワゴン |
OEM供給元 | OEM供給先 | ||
---|---|---|---|
ダイハツ | ミライース | トヨタ | ピクシスエポック |
キャスト | ピクシスジョイ | ||
ハイゼットトラック | ピクシストラック | ||
ハイゼットカーゴ | ピクシスバン | ||
ウエイク | ピクシスメガ |
画像引用:ダイハツホームページ、トヨタホームページ
OEM供給元 | OEM供給先 | ||
---|---|---|---|
三菱 | ekカスタム | 日産 | デイズ |
ekスペースカスタム | デイズクルーズ | ||
タウンボックス | NV100クリッパーリオ |
画像引用:三菱ホームページ 画像引用:日産ホームページ
オリジナルブランドとOEM車はどちらが売れている?
オリジナルブランド車とOEM車のどちらが売れているかということですが、これは車種によって異なりますが、基本的にはオリジナルブランド車の方が良く売れています。
ただし、三菱ekシリーズと日産デイズの2018年3月の販売台数は、ekシリーズトータルの販売打数をデイズ(ekカスタム)1モデルで大きく上回っています。
これは日産自動車の販売力とブランド力、OEM車とはいいながら巧みなフェイスリフトで高級感を醸し出し、三菱色を感じさせないエクステリアが功を奏した結果だといえます。
三菱ブランドにすれば、リコール隠し以降燃費改ざんなど、一連の不祥事による企業イメージの悪化とブランド訴求力の低下で販売低迷に喘ぐ中、日産自動車に救われた形となりました。
OEM車に乗ることは恥ずかしい?
OEM車に乗ることは恥ずかしいと感じる人も自動車ユーザーの中にはいるようですが、基本的にOEM車とオリジナルブランド車はその車両価格やグレード装備など、車としての価値は何ら変わりませんので、オリジナルブランドではないOEM車に乗ることが恥ずかしいと思わざるを得ない要因は何もないといえます。
OEM車を選ぶ理由
そもそもOEM車を選ぶのは以下のような理由だと言えます。
1.オリジナルブランドよりもOEM車のブランドが好き
オリジナルブランドよりもOEM車のブランドの方が好きで、そのブランドの車に乗ることに価値を感じるといったケースですが、先に述べた三菱と日産はまさにその典型ともいえるでしょう。
2.ファーストカーがOEM車のブランド
OEM車は軽自動車が主流なので、セカンドカーとしての購入を考える方も多いといえます。
セカンドカーとしての軽自動車を購入するにあたり、ファーストカーと同じブランドを選ぶというケースは非常に多く、メインテナンスやアフターフォローがまとめて行えるというメリットがあります。
また、同じ販売店で2代目の購入となると、値引きや用品も結構サービスしてくれる場合が多く、そういったメリットもあります。
3.OEM車のブランドに関係する仕事をしている
自動車メーカーや、その自動車メーカーと取引のある会社に勤めているケースがこれに該当します。
たとえばマツダやマツダ関連の地場企業は、マツダブランドの車のみ通勤や社内への乗り入れが認められますが、スズキからのOEM車種もその対象となります。
4.別にこだわりはなくOEM車の方が安く買えた
車のブランドに対してはこだわりはなく、そもそも車も通勤や買い物など日常の足としてしか考えていないといったユーザーは、オリジナルブランドでもOEM車でも、安く買える方を淡々と選ぶケースがほとんどです。
買うならオリジナルブランドよりOEM車を勧める理由
ブランドバリューを除けば、車としての機能や性能は全く変わらないオリジナルブランド車とOEM車ですが、先に述べたような特別な事情やブランドへの思い入れがない場合、果たしてどちらを購入するのが得か?という事ですが、得なケースが多いのはOEM車です。
その理由は、OEM車を販売する自動車メーカーは、在庫が残ると自社の利益を圧迫する事になります。
したがって、OEMブランド側は、速やかにOEM車を裁く必要があり、多少の利益を削ってでも販売します。
そのため、オリジナルブランドにはない特典を付けるキャンペーンや、オリジナルブランドよりも大きな値引きで販売する事が多いです。
スズキワゴンRにはない購入キャンペーンを展開するマツダフレア
そういった事情をうまく利用することで、ブランドが異なるだけで同じ車を安く、充実装備でお得に購入する事が出来ます。
なので、オリジナルブランドの車でOEM車が存在するモデルは、OEMブランドのディーラーにも足を運んでチェックすると良いでしょう。
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