中古車の価値は走行距離と年式で決まるのが基本で、特に走行距離は中古車の市場価格を決める上で大きな要因となります。
その一方で走行距離は中古車の価値を決める上で重要でありながら、いとも簡単に改ざんすることが可能であるため、いまだ多くのメーター改ざん車が中古車市場には流通しているといわれています。
メーター改ざん車は中古車本来の価値よりも不正に高い値段で販売されており、改ざん車と知らずに購入してしまうと思わぬトラブルに見舞われることになります。
中古車を購入する際に、そういった悪質ともいえるメーター改ざん車を掴んでしまわないためにメーター改ざん車の調べ方と失敗しない中古車選びの方法を紹介します。
メーター改ざん車を販売したらどんな罪が課せられるのか
中古車の走行距離を実際よりも少なくなるようにメーターに表示された走行距離を巻き戻すメーター改ざんですが、これは実際どのような罪に問われるのでしょうか。
まず本来の走行距離とは異なるように偽造し、購入者を騙して利益を得たということは詐欺罪に該当します。
さらに中古車市場において販売する商品の価値を不正に釣り上げたことになり、不正競争防止法違反、そして車両の違法改造で車の安全性等を損なうことより道路運送車両法違反の罪が問われることになります。
実際に中古車販売業者がメーター巻き戻しによる改ざんを摘発された内容がこちらです。
オークション会場で仕入れた車のメーターを巻き戻して顧客をだまし、ネットオークションで販売したとされる事件で、千葉地裁の新崎長俊裁判官は15日、詐欺と不正競争防止法違反、道路運送車両法違反の罪に問われた自動車修理販売会社「ロアークラッシック」(市原市迎田)社長、下谷内信祐被告(48)=同市高坂=に懲役2年、執行猶予4年、罰金20万円(求刑・懲役2年、罰金20万円)、同社に罰金80万円(同100万円)の有罪判決を言い渡した。
引用元:千葉日報オンライン
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/387018
メーター改ざんされた中古車かどうか調べる方法
まずは車検証に記載の走行距離と実際のメーターの表示距離を確認することです。
ここに明確な差があればメーター改ざんされた中古車であることは明らかです。
具体的には、車検証には前回と前々回の車検時の走行距離が記載されますが、前回の車検時の走行距離よりも現時点の走行距離が減っているような状態です。
法改正によりメーター改ざんは根絶できたのか
中古車のメーター改ざんは遡れば何十年も前から横行しており、中古車業界全体のイメージダウンにもつながる忌々しき問題でした。
そんな状況を改善するために、平成29年1月からは車検証に過去最大値の走行距離の表示が義務付けられました。
これにより法改正前よりはメーター改ざんは減少したといわれていますが、悪質な中古車販売業者はメーター改ざんしていることを否定するべく車検証とメーターの走行距離が異なるのはメーターが故障して交換したから等、巧みなセールストークで知識のないユーザーに売りつけようとします。
そういったことも踏まえ、とにかく車検証の走行距離に記載に不自然な部分がある中古車は避けるというのが基本だといえます。
実際の車の劣化状態からメーター改ざんされているか確認する方法
自動車は常に過酷な使用環境の中で使われている耐久消費財なので使っているうちにいろいろな部分が劣化してきます。
この車の劣化状態は走行距離とほぼ比例しますので、特定個所の劣化状態を見ればその車がどれくらいの走行距離を使用されてきたのか知ることができます。
まずは車を運転する時は常に触れているステアリングとアクセルペダルをチェック
ステアリングにはウレタン製のものと本革巻き、ウッド製のものがありますがウレタン製と革巻きのステアリングの表面には滑り止めと意匠を兼ねて細かい皴模様のようなシボが設けられています。
車の運転でステアリングを操作しているとだんだんとこのシボが摩耗していきツルツルの状態になってきます。
大体10万キロ以上走った車のステアリングはほぼこのシボ部分の著しい摩耗が見られますので、走行距離が少ないのにステアリング表皮の摩耗が激しい車はメーター改ざん車の可能性大です。
ウッドステアリングの場合は操作部分の摩耗や劣化が判りづらいのですが、ステアリングをまっすぐした状態で真上になる部分のフロントガラス側、すなわち直射日光が常に当たる部分の劣化状態を確認すればある程度の年数と走行距離が推定できます。
走行距離のわりにこの部分の色褪せなどの劣化が激しい車も避けておいたほうが無難です。
次にアクセルペダルですがアクセルペダルの表面には滑り止め防止の溝が刻まれています。走行距離が少ないのにこアクセルペダルの溝が大きくすり減っているような中古車はメーター改ざんを疑ったほうがよいでしょう。
いずれもカバーで隠されている場合もあり
ステアリングもアクセルペダルも、アクセサリーとしてカバーなどの後付けパーツが売られていますのでそれらが装着されていると状態を確認するのが困難になります。
ステアリングであればカバーを外してチェックすることも可能ですがアクセルペダルに装着された後付けのペダルは簡単には取り外せませんのでその場合はアクセルペダルの確認は断念するしかありません。
最も有効なのはエンジンやミッションなどのアルミ部品の劣化
ステアリングやアクセルペダルの劣化以外にメーター改ざん車かどうかを確認する方法は、エンジンなどのアルミ部品の劣化状況をチェックする方法です。
アルミ部品は経年劣化すると表面に白い粉を吹い他錆が発生します。
エンジンルームをのぞき込んでエンジン本体のシリンダーヘッドやミッションケースが極端に白く錆びていたらメーター表示の走行距離以上に使われていた可能性があります。
もちろん使用環境によっても錆の発生度合いは変わりますが、12万キロ走行した車のアルミ部品の劣化状態はこのような感じなので一つの目安にしていただければと思います。
ヤフオクで販売されている中古車はメーター改ざん車が多いのか
ヤフオクには中古車のカテゴリがあり、さまざまな中古車が数多く販売されています。
ヤフオクの最大の魅力は個人売買することで市場の中古車流通ルートで購入するよりも安く中古車を購入できるということですが、その一方でどんな素性の人間が販売しているかわからないといったリスクもあります。
そんなヤフオクで取引される車の中には走行距離を少なく見せるためにメーター改ざんを行った中古車もたくさん流通しているのが実状です。
特にこちらの記事でも紹介していますが、ヤフオクの場合は業者出品から購入するとほとんどメリットがないばかりか個人より業者販売のほうがメーター改ざんの知識も豊富でごまかし方も巧妙なので、ヤフオク経由で業者販売の中古車を購入するのは避けた方が無難です。
メーター改ざん車の買取価格はどうなるのか
メーター改ざん車を売る場合、下取りや買取査定の価格はどうなるのか?ということですが、結論から言えばほぼ値が付きません。
そもそもメーター改ざん車自体が法律に抵触するような仕様の車なので、基本的にはそんな車を下取りしたり買い取っても廃車にするしかありません。
車としての基本機能が全く問題なくても、日本国内の道路を走行する車としての価値は全くないということです。
なお、実走行とメーター表示の走行距離が異なっていてもメーターを交換したという記録が点検整備記録として残っていればメーター交換車として実走行に基づいた査定評価がされます。
海外市場に行けばメーター改ざん車も高く売れる
メーター改ざん車に価値がないと判断されるのはあくまでも日本国内の市場であり、海外市場に行けば全く評価は異なります。
特に新興国では耐久信頼性に優れた日本車が強い人気を誇っており、はっきりいってまともに走ることができれば走行距離がどうだったかとかは気にされません。
なので、海外への輸出に強い買取査定業者なら、メーター改ざん車でも高く買い取ってくれる可能性があります。
メーター改ざん車はディーラーで中古車を買えば掴む心配がないのか
中古車を購入する時は信頼できるお店で購入するというのが基本で、新車ディーラーやガリバーなどの大手中古車販売店から購入することで様々なリスクを回避することができます。
特に新車ディーラーの場合は新車購入し買い替えるユーザーの下取り車がメインなのでメーター改ざんされた中古車を扱うといったリスクはかなり低いといえます。
またディーラーの場合、専用の故障診断システムを導入していますのでその新車ディーラーの車種であればECUから走行履歴などのデータをすべて把握することができます。
そういったことから、新車ディーラーの扱う中古車には、そのディーラーの扱う車種であればメーター改ざん車の中古車をつかむ心配はないといえます。
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